株式会社エス・アイ・エス 03-5823-7771
お電話でのお問い合わせ:平日10:00~17:00

社員のエンゲージメントを高めるには?スキル管理と人材育成の成功戦略

スキルマネジメントがもたらす組織変革:エンゲージメント向上の鍵

【はじめに】エンゲージメントの定義と重要性

エンゲージメントとは、従業員が企業や仕事に対して持つ深い結びつきや愛着のことを指します。 単なる満足感を超えて、従業員が仕事に熱意を持ち、会社の成功に積極的に貢献したいという強い思いを表します。 エンゲージメントが高い従業員は、毎日の仕事を楽しみにし、顧客ニーズの理解に努め、自発的に新しいアイデアを提案し、チーム全体の成果向上に尽力します。

企業にとって従業員エンゲージメントが重要な理由は、優秀な人材の確保と維持につながるからです。 エンゲージメントの高い従業員は生産性が高く、顧客満足度の向上や企業の業績向上に大きく貢献します。 また、従業員の離職率低下にもつながり、人材育成や採用コストの削減にも効果があります。

記事のポイント

本記事では、このエンゲージメント低下の根本原因を探り、その解決策としての「スキルマネジメント」の重要性を解説します。社員一人ひとりのスキルを適切に管理し、成長を支援することが、なぜ組織全体のエンゲージメント向上につながるのか。その具体的な方法と成功戦略を一緒に見ていきましょう。
  
このブロックは非表示設定になっています公開ページで表示したい場合は「ブロックの設定」から変更してください

エンゲージメントを奪う2大要因

従業員が企業への熱意や愛着を失い、エンゲージメントが低下する主な原因は、精神論ではなく、人事制度や運用の不透明性に起因します。特に、スキル管理の欠如によって生じる以下の2つの要因が致命的です。

1. 評価の曖昧さから生じる「不公平感」

エンゲージメントの土台となるのは、企業と従業員間の「信頼」です。この信頼を最も損なうのが、評価基準の曖昧さです。

  • 主観による評価への不満: 従来のメンバーシップ型や年功序列の評価では、「何をすれば評価されるか」が不明確になりがちです。従業員は、自分の成果ではなく、上司の主観や好き嫌いで評価が決まっていると感じ、強い不満(アンフェア感)を抱きます。
  • 貢献度の不透明性: 自身の貢献が正しく認識されていないと感じると、「頑張っても報われない」という無力感が広がり、仕事への熱意が急速に失われます。

スキル管理の役割: スキル管理によって、職務に必要なスキルや達成度が客観的に言語化・定量化されることで、評価の根拠が明確になり、不公平感が解消されます。

2. キャリアの不透明性から生じる「将来への不安」

エンゲージメントの高い社員は、自身の成長が会社の成功に繋がっているという「将来性」を感じています。この見通しが立たないと、不安から離職を検討し始めます。

  • スキルギャップの放置: 自身の現在のスキルレベルと、将来目指したいキャリアに必要なスキルとのギャップが可視化されていないと、「何を学べばいいのか」「どこへ向かえばいいのか」が分からず、成長が停滞します。
  • 不適切な配置: 企業側が社員の保有スキルを把握していないため、本人の強みやキャリア志向と無関係な業務に配置され、「自分の能力が活かせていない」と感じてモチベーションを失います。

スキル管理は、社員の保有スキルとキャリアパスを紐づけ、具体的な学習ロードマップを提供します。これにより、成長の道筋が明確になり、「この会社で成長できる」という確信が持てるようになります。

スキルマネジメントの概念と実践

スキルマネジメントとは、従業員の能力を「人」ではなく「スキル」という観点から管理し、組織の生産性を最大化する手法です。 この手法では、業務に必要なスキル、マネジメントスキル、会社の方針に対する理解、社会人として求められる基本的なスキルなどを細かく言語化し、定量化します。

スキルマネジメントを実践するには、まず求めるスキルや評価基準を明確に定義し、それぞれのレベルを高い精度で評価する仕組みを構築します。 これにより、従業員の能力開発と会社の方向性をすり合わせ、一人ひとりが自律的にキャリアを形成できる環境が整います1。 この取り組みは、従来の曖昧な評価基準や上司の主観に頼る方法から脱却し、より客観的で公平な人材育成とマネジメントを可能にします。

スキルマネジメントの実践プロセス

スキルマネジメントを組織に定着させるには、以下の4つのステップを継続的に回す仕組みを構築する必要があります。
項目背景色付き+枠線付き(スマホ横スクロール) はタブレット以上のサイズでのみ編集可能です
(実際の公開ページではタブレットサイズ以下で横スクロールが表示されます)
ステップ
実施内容と効果
見える化
実施内容
企業の目標に必要なスキルを定義し、従業員一人ひとりの現在のスキルレベルを客観的に測定(スキルサーベイ、評価データなど)。

エンゲージメントへの効果
公平性の確保:社員は自分の立ち位置と、会社が求めるスキルを明確に理解できる。
分析・評価
実施内容
現状のスキルデータと目標スキルの間でスキルギャップを特定(スキルマップ作成)。組織全体の強みと弱みを明確化。

エンゲージメントへの効果
信頼の醸成:データに基づいた透明性の高い評価が、評価への納得感を高める。
育成・開発
実施内容
ギャップ解消のため、社員のキャリア志向に合わせた個別最適化された育成計画(リスキリング、研修、OJTなど)を策定・実行。

エンゲージメントへの効果
将来への希望:成長の道筋が明確になり、「この会社で成長できる」という意欲が生まれる。
活用・最適配置
実施内容
スキルデータに基づき、最も能力が活きるプロジェクトや職務に人材を配置し、その成果を評価にフィードバックする。

エンゲージメントへの効果
自己効力感:能力を最大限に発揮できるため、仕事への熱意(エンゲージメント)が高まる。
見出し ここをクリックして表示したいテキストを入力してください。テキストは「右寄せ」「中央寄せ」「左寄せ」といった整列方向、「太字」「斜体」「下線」「取り消し線」、「文字サイズ」「文字色」「文字の背景色」など細かく編集することができます。

スキルマネジメントとエンゲージメントの密接な関連性

エンゲージメントとスキルマネジメントは密接に関連しています。スキルマネジメントを通じて従業員の能力を適切に評価し、成長の機会を提供することで、従業員のエンゲージメントを高めることができます。 従業員が自身のスキルを客観的に把握し、成長の道筋を明確に理解できることは、仕事への意欲と会社への愛着を強める要因となります。

また、スキルマネジメントは従業員のキャリア形成を支援し、個人の目標と会社の目標を調和させる役割も果たします。 これにより、従業員は自身の成長と会社の成功を同時に追求できるようになり、結果としてエンゲージメントの向上につながります。 さらに、スキルベースの評価は公平性を高め、従業員の信頼感を醸成し、組織への帰属意識を強化する効果があります。

エンゲージメントを向上させる具体的な方法

エンゲージメントを向上させるためには、段階的なアプローチが効果的です。まず、従業員の不満足要因を特定し解消することから始めます。 次に、会社のミッション、ビジョン、バリューを明確に定義し、従業員と共有します。これらの価値観が従業員エンゲージメントの源泉となります。

具体的な施策としては、以下のようなものが挙げられます:

  1.  定期的なスキル評価と成長機会の提供
  2.  オープンなコミュニケーションを促進する仕組みづくり
  3.  従業員の意見を積極的に取り入れる制度の導入
  4.  働きやすい職場環境の整備
  5.  公正な評価と報酬制度の確立

これらの施策を通じて、従業員一人ひとりが組織に愛着を持ち、会社と共に成長していく関係性を構築することが重要です。

【まとめ】スキルマネジメントがエンゲージメント向上の鍵

今後、スキルマネジメントとエンゲージメントの重要性はさらに高まると予想されます。技術の急速な進歩に伴い、従業員のスキルを継続的に更新し、高めていく必要性が増しています。 このため、リスキリングの概念が注目を集めており、従業員の能力開発がより戦略的に行われるようになるでしょう。

また、働き方の多様化や価値観の変化により、従来の人材管理手法では対応しきれない課題が増えています。スキルマネジメントを基盤としたエンゲージメント向上策は、 これらの課題に対する有効な解決策となる可能性があります。企業は、従業員一人ひとりのスキルと意欲を最大限に引き出し、組織全体の生産性と創造性を高めることで、 激しい競争環境を生き抜くことができるでしょう。
人材スキル管理システム「SSI-iCD」

人材スキル管理システム「SSI-iCD」

SSI-iCDは、ITスキル標準のタスク・スキルを標準搭載する人材スキル管理システムです
独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が提供する、「iコンピテンシ ディクショナリ(iCD)」、「ITSS+(プラス)」、「デジタル推進スキル標準(DSS-P)」「ITSS」「UISS」「ETSS」に対応したスキル管理システム「SSI-iCD」です。

関連記事

【人的資本経営×スキル管理】徹底活用ガイド|DX成功と人材不足解消を実現
なぜ「人的資本経営」に「スキル管理」が不可欠なのか?DX成功と人材不足解消を実現するための課題と解決策を具体的に解説していきます。
ジョブ型雇用を成功させる!人材の能力を見抜くスキル管理術
ジョブ型雇用を成功させる鍵は徹底的なスキル管理!人材の能力を正しく見抜く具体的なスキル管理術と導入ステップを解説していきます。
スキル管理なしでDX人材は育たない!企業が抱える致命的なリスク
なぜスキル管理なしではDX人材が育たないのか、そしてどのようなリスクが企業を待ち受けているのか、具体的に解説していきます。
小見出し
ここをクリックして表示したいテキストを入力してください。