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ITスキル標準(ITSS)とは

ITスキル標準(ITSS)の構成や活用方法について詳しく紹介します
ITスキル標準(ITSS)は、各種IT関連サービスの提供に必要とされる高度な専門知識と技術を持つITプロフェッショナル人材の育成を目的として作成された指標で、経済産業省が策定し、情報処理推進機構(IPA)が管理する、IT人材に必要なスキルを体系的に整理した指標です。

ITスキル標準(ITSS)の構成

ITスキル標準(ITSS)では、ITサービスの分野を11職種35専門分野に分類し、それぞれの職種・専門分野において求められるスキルを7段階のレベルで体系化しています。
ITスキル標準(ITSS)の構成

ITスキル標準(ITSS)で定義される職種

職種
説明
マーケティング 顧客のニーズに対応するために、市場の動向を予測・分析し、ビジネス戦略を企画・立案します。
また、市場分析を通じて得られた情報を活用し、ビジネス戦略の投資効果、新規性、顧客満足度に責任を持ちます。
セールス
顧客の経営方針を確認し、課題解決策の提案やビジネスプロセスの改善支援を行い、製品やサービスの成約につなげます。同時に、顧客との良好なリレーションシップを築き、顧客満足度を向上させます。
コンサルタント
顧客に対して経営戦略やビジネス戦略、IT戦略に関する提案や助言を提供します。これにより、顧客のビジョンや戦略の実現、課題解決をサポートし、IT投資における経営判断を助けます。提案の価値や効果、顧客満足度、実現可能性に責任を持ちます。
ITアーキテクト
ビジネスおよびIT上の課題や要件と適合したITアーキテクチャを設計し、顧客のビジネス戦略を実現します。設計が課題に対するソリューションを構成し、開発や導入の実現可能性を確認します。同時に、情報システムが満たすべき基準を定め、実現性に対する技術リスクを事前に評価します。
プロジェクトマネジメント
プロジェクトの提案から終結までを計画し、実行・監視・コントロールを実施します。計画された成果物やサービスに対して、要求された品質・コスト・納期に責任を持ちます。
ITスペシャリスト 
顧客の環境に最適なシステム基盤を設計・構築・導入します。同時に、構築したシステム基盤の非機能要件(性能、回復性、可用性など)に責任を持ちます。
アプリケーションスペシャリスト 業種や一般的な業務において、アプリケーション開発やパッケージ導入に特化した技術を利用し、業務上の問題を解決するためのアプリケーションの設計から保守までを行います。構築したアプリケーションの品質についても責任を持ちます。
ソフトウェアデベロップメント
マーケティング戦略に基づく市場向けのソフトウェア製品を企画し、仕様決定や設計、開発をします。上位では、ソフトウェア製品に関連するビジネス戦略を考えたり、相談に応じたりします。開発したソフトウェア製品の機能や信頼性などに責任を持ちます。
カスタマサービス 顧客に最適なシステム基盤となるハードウェアやソフトウェアを導入し、カスタマイズ、保守、修理します。同時に、顧客のシステム基盤を管理・サポートし、IT施設の設計や運営も担当します。導入したハードウェアやソフトウェアの品質にも責任を持ちます。
ITサービスマネジメント
サービスレベルを設計し、顧客と合意した基準(SLA)に基づいて、サービスレベルを設計し、システムが安定して動作する責任を持ちます。システムの安全性や信頼性、効率性を向上させ、サービスレベルを保ち、向上させるためにシステムの運用情報を収集・分析し、システム基盤管理も含めた運用管理を行います。
エデュケーション
担当分野の専門技術を使って、ユーザーが必要なスキルを身につけるための研修プログラムを作成し、実施・評価します。
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ITスキル標準(ITSS)の活用方法

日本では、プログラマ→SE→プロジェクトリーダといったキャリアパスが一般的ですが、多様化、深化している顧客ニーズに応えていくためには、それぞれのソリューションや新たな技術分野のプロフェッショナルを育成していく必要があります。
ITスキル標準(ITSS)を効果的に活用するポイントを紹介します。

ポイント1
人材育成として活用
ITスキル標準(ITSS)を指標として、それぞれの職種・専門分野に必要なスキルを明確にしたカリキュラムや研修プログラムを実施することができるようになります。また、企業の事業戦略を達成するために、必要なITスキルを明確化し、ITスキル標準を活用して人材育成計画を策定することで、事業戦略の実現に必要な人材を育成することができます。
ポイント2
人材評価として活用
ITスキル標準(ITSS)を指標として、従業員のITスキルを客観的に評価できるようになり、公正な評価が可能となります。また、公正な評価が行われることで、各人材が納得する評価を得られるようになるため、モチベーションアップにつながります。
ポイント3
人材目標として活用
ITスキル標準(ITSS)を指標として、自身のキャリアパスを明確にし、目標とするスキルレベルを達成するために、必要なスキルを計画的に学習できます。また、必要なスキルと現在のスキルレベルとの差異を明確にし、そのギャップを埋めるための目標を設定することできるようになります。
Step.1
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ITスキル標準(ITSS)の活用効果

人材育成の体系化と目標設定
ITスキル標準(ITSS)は、企業が必要とするITスキルと能力を明確に定義し、それに基づいて計画的な人材育成を行うための指針を提供します。これにより、従業員は自分の職種・専門分野・キャリアパスに沿ったスキルを効率的に習得することができます。
また、必要なスキルと現在のスキルレベルとの差異を明確にし、そのギャップを埋めるための目標を設定することできるようになります。
スキル評価の透明性と公平性
ITスキル標準(ITSS)を導入することで、企業は従業員のスキルを客観的かつ公正に評価する基準を持つことができます。これにより、評価プロセスの透明性が向上し、従業員のモチベーションを維持することができます
競争力の強化
IT分野は技術の進化が速く、常に新しいスキルが求められます。ITスキル標準(ITSS)は、企業が最新の技術トレンドに対応できる人材を育成するためのフレームワークを提供し、結果的に企業の競争力を強化します 。
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適切な人材配置
ITスキル標準(ITSS)に基づいて従業員のスキルを評価することで、各プロジェクトや業務に適した人材を適切に配置することができます。これにより、プロジェクトの成功率が向上し、業務効率が改善されます 。
教育・トレーニングプログラムの最適化
ITスキル標準(ITSS)は、教育機関やトレーニングプロバイダーが提供するプログラムの内容を最適化するための基準を提供します。これにより、従業員が実務で必要なスキルを効率的に習得できるようになります 。
技術変化への迅速な対応
技術の変化に迅速に対応するためには、従業員が最新のスキルを習得し続けることが重要です。ITスキル標準(ITSS)は、企業が継続的なスキルアップを推進し、技術変化に対応するための基盤を提供します 。
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ITSS+(プラス)とは

ITSS+(プラス)は、経済産業省と情報処理推進機構(IPA)が策定した、IT人材のスキルアップのための指針で、ITSS(ITスキル標準)を補完するものとして、「データサイエンス領域」「アジャイル領域」「IoTソリューション領域」「セキュリティ領域」について策定されました。
従来のITスキル標準(ITSS)が対象としていた情報サービスの提供やユーザー企業の情報システム部門の従事者のスキル強化を図る取組みに活用されることを想定しています。
活用事例

ITスキル標準の活用ツール

SSI-iCDは、ITスキル標準のタスク・スキルを標準搭載する人材スキル管理システムです。IT人材のスキルや能力を「ITスキル標準」に基づいた評価項目で、ITプロフェッショナル人材の育成を図るための目標や計画を策定することができます。