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情報システムユーザースキル標準(UISS)とは

UISSの構成や活用方法について詳しく紹介します
現代の情報社会において、情報システムの活用は企業や組織の競争力向上に不可欠です。しかし、システムの有効活用には、ユーザーのスキルが重要な役割を果たします。情報システムユーザースキル標準(UISS)は、ユーザーが持つべきスキルを体系的に整理し、評価・育成するための指針となる標準です。

UISSは、「タスクフレームワーク」と「機能役割定義」「人材像」で構成されています。
「タスクフレームワーク」でユーザー企業に必要な IS 機能(タスク)とそれぞれの機能(タスク)の関係を示し、「機能役割定義」で各機能(タスク)についてどのようなスキルと知識が必要かを記述しています。
また、「人材像」では人材育成の観点からモデルとなる人材像を定義し、その人材が担う機能と必要なスキルを関連づけています。

タスクフレームワークとタスク概要

「タスクフレームワーク」は情報システムに関わる業務を体系的に整理したもので「タスク概要」は、タスクフレームワークに示された情報システム業務の具体的な概要となり、以下のように示されています。
※(出典)情報システムユーザースキル標準(UISS)Ver.2.2
タスク 概要
プロジェクトマネジメント 【目的】IS 戦略の実現に向けた個別案件のマネジメント
【主な機能】プロジェクト計画策定、実行管理における以下の機能を範囲とする。
●プロジェクトマネジメント
・プロジェクトの立ち上げ
・プロジェクト計画策定
・プロジェクト追跡と実行管理
・プロジェクト変更管理
・プロジェクト終結
・プロジェクト完了評価
IS 企画(個別案件)
IS 企画評価(個別案件)
【目的】IS 戦略の実現に向けた個別案件のIS 企画の策定・評価
【主な機能】IS 企画策定・評価における以下の機能を範囲とする。
●IS 企画
・IS 企画の策定
・IS 導入計画の策定
・調達と調達マネジメント
●IS 企画評価
・IS 運用指標評価
・業務運用指標評価
IS 導入(個別案件) 【目的】IS 戦略の実現に向けた個別案件におけるIS 導入
【主な機能】IS 導入における以下の機能を範囲とする。
●IS 導入
・システム要件定義
・業務プロセスの詳細設計
・アプリケーション分析・設計
・アプリケーション開発
・インフラストラクチャ分析・設計
・インフラストラクチャ構築
・IS の受入
IS 活用 【目的】IS の効果の最大化のために利用実態に即した活用計画の策定と遂行
【主な機能】IS 活用における以下の機能を範囲とする。
●IS 活用
・個別IS 活用促進
・個別評価とフィードバック
・全体のIT 活用能力引き上げ
・活用シナジーの促進
IS 保守 【目的】IS の効果の最大化のために、IS の保守を安定的・効率的に実施
【主な機能】保守における以下の機能を範囲とする。
●IS 保守
・保守計画
・保守の実施
・情報システムの廃棄
セキュリティ 【目的】全社の情報資産へのセキュリティにおける社内外から脅威やリスクへの対応
【主な機能】セキュリティにおける以下の機能を範囲とする。
●セキュリティ
・セキュリティ方針の策定
・セキュリティ基準の策定
・セキュリティの分析
・セキュリティの見直し
共通業務 【目的】企業活動におけるIS 機能全般に対し、(安定的・効率的な)運営の企画策定または遂行
【主な機能】共通業務における以下の機能を範囲とする。
●情報機器・情報資産管理
全社の情報資産の管理と共有化による生産性向上のため、体制整備から施策の実施・改善
企業活動において、情報資産の管理方針と管理体制の策定、リスク分析とリスク対策の実施、情報資産の有効活用、情報資産の共有化
●事業継続計画
事業継続計画のIS 領域に関わる計画策定から遂行
企業活動において、計画策定から実施、リスク分析、災害時対応計画、バックアップ、代替処理・復旧
●コンプライアンス
IS 領域に関わるコンプライアンス管理方針と体制の整備、実施と改善
企業活動において、法令および規範の管理体制確立、管理責任者の選定、遵守すべき法令および規範の識別、教育・周知徹底
●人的資源管理
IS 部門およびIS 利用部門のIS 活用における人的資源確保のために、人材育成施策の企画、遂行
企業活動において、責任・権限・業務遂行、教育・訓練
●契約管理
IS 領域に関わる社外との適切な契約関係の実現のため、契約業務全般の基準・ルールなどの整備や維持管理
企業活動において、委託先選定方針などの策定、各種契約の管理
システム監査 【目的】IS 機能の適切かつ健全な運営のための監査の計画、遂行
【主な機能】各種システムの監査における以下の機能を範囲とする。
●システム監査
・システム監査の計画
・システム監査の実施
・システム監査の報告
・システム監査業務の管理
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UISSで定義される人材像

UISSの「人材像定義」は、想定した人材像のミッション、活動内容、レベル範囲を定義し、整理したものです。
※(出典)情報システムユーザースキル標準(UISS)Ver.2.2
職種
説明
ビジネスストラテジスト 【ミッション】全社戦略の実現に向けた事業戦略を策定・評価する。
【活動内容】事業戦略策定・評価を主な活動領域として以下を実施する。
●事業戦略策定
・経営要求の確認
・新ビジネスモデルへの提言
・事業戦略の実現シナリオへの提言
●事業戦略評価
・事業戦略の評価
・事業戦略評価結果のフィードバック
IS ストラテジスト 【ミッション】事業戦略実現に向けたIS 戦略を策定・評価する。
【活動内容】IS 戦略策定・評価を主な活動領域として以下を実施する。
●IS 戦略策定
・対象領域ビジネス及び環境の分析
・IS 戦略の策定
・IS 戦略全体計画の策定
・IS 戦略実行体制の確立
・意図と指針の周知
●IS 戦略評価
・IS 戦略全体計画の評価
・IS 戦略の評価
プログラムマネージャ 【ミッション】IS 戦略の実現に向けて、複数の個別案件をマネジメントする。
【活動内容】IS 戦略実行マネジメントを主な活動領域として以下を実施する。
●IS 戦略実行マネジメント
・IS 戦略の分析・把握
・IS 戦略実行のモニタリングとコントロール
・IS 戦略実行上のリスクへの対応
・コントロールフレームワークの維持・管理
プロジェクトマネージャ
【ミッション】IS 戦略の実現に向けて、個別案件をマネジメントする。
【活動内容】プロジェクト計画策定、実行管理を主な活動領域として以下を実施する。
●プロジェクトマネジメント
・プロジェクトの立ち上げ
・プロジェクト計画策定
・プロジェクト追跡と実行管理
・プロジェクト変更管理
・プロジェクト終結
・プロジェクト完了評価
IS アナリスト 【ミッション】IS 戦略の実現に向けて、個別案件のIS 企画を策定・評価する。
【活動内容】IS 企画策定・評価を主な活動領域として以下を実施する。
●IS 企画
・IS 企画の策定
・IS 導入計画の策定
・調達と調達マネジメント
●IS 企画評価
・IS 運用指標評価
・業務運用指標評価
アプリケーションデザイナー 【ミッション】IS 戦略の実現に向けた、個別案件のアプリケーションの導入・保守を
実施する。
【活動内容】IS 導入、IS 保守を主な活動領域として以下を実施する
●IS 導入
・システム要件定義
・業務プロセスの詳細設計
・アプリケーション分析・設計
・アプリケーション開発
・IS の受入
●IS 保守
・保守計画
・保守の実施
・情報システムの廃棄
システムデザイナー 【ミッション】IS 戦略の実現に向けた、個別案件のインフラストラクチャの導入・保守
を実施する。
【活動内容】IS 導入、IS 保守を主な活動領域として以下を実施する
●IS 導入
・システム要件定義
・インフラストラクチャ分析・設計
・インフラストラクチャ構築
・IS の受入
●IS 保守
・保守計画
・保守の実施
・情報システムの廃棄
IS オペレーション
【ミッション】IS の効果の最大化のために、システム運用を安定的・効率的に実施する。
【活動内容】運用及び保守(ソリューション運用(システム及び業務))を主な活動領域として以下を実施する。
●IS 運用
・システム管理計画
・システム管理
・資源管理・変更管理
・リリース管理
・構成管理
・問題管理
・セキュリティ管理
・性能管理
・システム移行
・運用に関するシステム評価
・システム利用者対応
ISアドミニストレータ 【ミッション】IS の効果の最大化のために、利用実態に即した活用計画を策定し、施策を遂行する。
【活動内容】対象となるシステムの評価とフィードバック、活用促進、情報リテラシーの向上を主な活動領域として以下を実施する。
●IS 活用
・個別IS 活用促進
・個別評価とフィードバック
・全体のIT 活用能力引き上げ
・活用シナジーの促進
IS アーキテクト 【ミッション】ビジネス環境の変化や情報技術の進展に、企業として継続的に対応するため、IT 戦略を策定し、その構築と評価、維持・管理を行う。
【活動内容】IT 基盤構築・維持・管理を主な活動領域として以下を実施する。
●IT 基盤構築・維持・管理
・IT 戦略の策定
・IT 戦略実行計画の策定
・IT 基盤整備
・品質統制フレームワークの運営
・各アーキテクチャ・品質統制フレームワークの維持・管理
・IT 戦略実行計画の評価
・IT 戦略の評価
セキュリティアドミニストレータ 【ミッション】全社の情報資産へのセキュリティにおける社内外からの脅威やリスクへの対応に責任を持つ。
【活動内容】セキュリティの活動領域として以下を実施する。
●セキュリティ
・セキュリティ方針の策定
・セキュリティ基準の策定
・セキュリティの分析
・セキュリティの見直し
IS スタッフ
企業活動におけるIS 機能全般に対し、(安定的・効率的に)運営するために、以下
を遂行する。

●情報機器・情報資産管理
【ミッション】全社の情報資産の管理と共有化による生産性向上のため、体制整備から施策の実施・改善までの責任を持つ。
【活動内容】情報資産の管理方針と管理体制の策定、リスク分析とリスク対策の実施、情報資産の有効活用、情報資産の共有化を主な職務とする。

●事業継続計画
【ミッション】事業継続計画のIS 領域に関わる計画策定から遂行までの責任を持つ。
【活動内容】計画策定から実施、リスク分析、災害時対応計画、バックアップ、代替処理・復旧を主な職務とする。

●コンプライアンス
【ミッション】IS 領域に関わるコンプライアンス管理方針と体制の整備から実施、改善までの責任を持つ。
【活動内容】法令及び規範の管理体制確立、管理責任者の選定、遵守すべき法令及び規範の識別、教育・周知徹底を主な職務とする。

●人的資源管理
【ミッション】IS 部門およびIS 利用部門のIS 活用における人的資源確保のために、人材育成施策の企画、遂行に責任を持つ。
【活動内容】責任・権限・業務遂行、教育・訓練を主な職務とする。

●契約管理
【ミッション】IS 領域に関わる社外との適切な契約関係を実現するために、契約業
務全般の基準・ルールなどの整備や維持管理に責任を持つ。
【活動内容】委託先選定方針などの策定、各種契約の管理を主な職務とする。
IS オーディタ 【ミッション】IS 機能が適切かつ健全に運営されるよう、その監査の計画、遂行に責任を持つ。
【活動内容】各種システムの監査に係る主な活動領域として以下を実施する。
●システム監査
・システム監査の計画
・システム監査の実施
・システム監査の報告
・システム監査業務の管理
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人材像とタスクの関連
(出典)情報システムユーザースキル標準(UISS)Ver.2.2

UISSの活用方法

1.組織力強化のための利用
情報システムの構築や運用に携わる組織に必要な機能やスキルを洗い出し、自社の組織毎の機能と役割を明確にすることで、現在の組織上の課題を明らかにできます。そのうえで、必要となる組織力向上の施策を策定することができるようになります。

2.人材育成のための利用
各職種・役割に必要なスキルを明確化し、個々のスキルギャップを把握することで、必要なスキルを持った人材育成プログラムを開発することができます。そうすることで、組織全体のスキル底上げを実現することができます。

3.人材調達のための利用
情報システムの構築や運用に携わる人材を採用する場合や外部ベンダーに依頼する場合、スキルの領域が明確になっていれば、IT ベンダーの選択や提携をより戦略的に計画することが可能になります。


活用事例

情報システムユーザースキル標準(UISS)の活用ツール

SSI-iCDは、ITスキル標準のタスク・スキルを標準搭載する人材スキル管理システムです
独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が提供する、「iコンピテンシ ディクショナリ(iCD)」、「ITSS+(プラス)」、「デジタル推進スキル標準(DSS-P)」「ITSS」「UISS」「ETSS」に対応したスキル管理システム「SSI-iCD」です。